就業規則の周知
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使用者は就業規則を事業場への掲示、備え付けや書面による交付など厚生労働省令で定める方法によって労働者に周知させなければなりません。
この場合の周知とは、就業規則の全文を掲示等により周知することが必要であり、その一部やまとめたものを周知しただけでは、周知義務を果たしたことにはなりませんので注意が必要です。 |
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使用者は就業規則を事業場への掲示、備え付けや書面による交付など厚生労働省令で定める方法によって労働者に周知させなければなりません。
この場合の周知とは、就業規則の全文を掲示等により周知することが必要であり、その一部やまとめたものを周知しただけでは、周知義務を果たしたことにはなりませんので注意が必要です。 |
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就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約を行った場合、その部分については無効となります。 その無効となった部分については就業規則で定める基準が適用されることになります。
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就業規則は法令又は労働協約に違反することはできません。 この場合、所轄の労働基準監督署長は就業規則の変更を命令することができます。 ※法令:法律と命令の総称。法律は国会、命令は内閣や省庁で制定。 労働協約:使用者と労働組合との間で労働条件などについて締結する協定のこと。 |
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(意見の聴取) 就業規則を作成・変更を行うのは使用者ですが、その際には必ず労働者の過半数で組織する労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。 意見を聴くというのは合意・同意を求めるものではなく、たとえ反対意見であっても使用者はその意見に拘束されず、就業規則の効力に何ら影響を与えません。 |
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(届出) 就業規則を作成・変更した場合には、使用者は労働基準監督署に届出をしなくてはなりません。その際に、上記の労働組合等の意見を記した書面を添付する必要があります。 また労働組合等が意見書の提出を拒否した場合であっても、意見を聴いたことが客観的に証明できる場合には届出が受理されます。 |
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就業規則に記載する項目については労働基準法で規定されています。
①絶対的必要記載事項:就業規則の作成にあたり必ず記載しなければならない事項 A.始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては 就業時転換に関する事項 B.賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する 事項 C.退職に関する事項(解雇の事由を含む) ②相対的必要記載事項:制度を定めた場合には必ず記載しなければならない事項 A.退職手当が適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの 時期に関する事項 B.臨時の賃金等(退職手当を除く)及び最低賃金額に関する事項 C.労働者に負担させる食費、作業用品その他に関する事項 D.安全及び衛生に関する事項 E.職業訓練に関する事項 F.災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項 G.表彰及び制裁の種類及び程度に関する事項 H.上記各号に掲げるもののほか、事業場のすべての労働者に適用される事項 |
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労働基準法では上記の①及び②を必要記載事項と定めていますが、就業規則にはこの他に記載するかどうか自由である任意的記載事項があります。
一般的には就業規則の目的や適用する労働者の範囲、福利厚生に関する事項など記載されています。 |
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就業規則とは会社(使用者)が、事業経営上の必要と労働者保護の必要から、労働者が就業にあたって守らなければならない服務規律や労働条件について規定したものです。
労働基準法第89条以降で定められており、作成義務者は“常時10人以上の労働者を使用する使用者”です。 ここで言葉の定義を説明しておきます。 ・労働者:職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者をいいます。 ・使用者:事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について事業主のために 行為をするすべての行為者をいいます。 ・事業主:その事業の経営主体をいいます。個人の場合は事業主個人のことであり、法人の場合は法人そのものを 指します。 ・事業の経営担当者:その事業の責任を追う者ですので、法人の代表者等を指します。 |
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就業規則を作成したら所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。また、内容を変更した場合も変更の届出が必要になります。
作成義務者の定義の中の“常時10人以上”とは、常態として10人以上の労働者を使用しているということであり、一時的に10人未満となることがある場合でも該当し、この“10人”には正社員だけでなくパートタイマーやアルバイト、臨時的な者全てが含まれます。 |
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Ⅰ育児休業制度に関する改正 労働者は、申し出ることにより、子が1歳に達するまでの間、育児休業をすることができます(一定の範囲 の期間雇用者も対象となります)。 一定の場合、子が1歳6か月に達するまでの間、育児休業をすることができます。 ・育児休業ができる労働者は、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者です。 日々雇用される者は対象になりません。 ・法改正により、休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定の範囲の期間雇用者は、育児休業がとれる ようになりました。 (改正のポイント1) 新たに育児休業の対象となった一定の範囲の期間雇用者とは、申出時点において、次の(1)、(2)のいずれにも 該当する労働者です。 (1)同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること (2)子が1歳に達する日(誕生日の前日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれること(子が1歳に達する 日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を除く) ・労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者であっても、その契約が実質的に期間の定めのない契約と 異ならない状態となっている場合には、前記の一定の範囲に該当するか否かにかかわらず、育児休業の対象と なります。 ・休業期間は、原則として1人の子につき1回であり、子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日) までの間で労働者が申し出た期間です。 ・法改正により、一定の場合には、子が1歳6か月に達するまで育児休業ができるようになりました。 (改正のポイント2) 1歳6か月まで育児休業ができるのは、次の(1)、(2)のいずれかの事情がある場合です。 (1)保育所に入所を希望しているが、入所できない場合 (2)子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の 事情により子を養育することが困難になった場合 育児休業中の労働者が継続して休業するほか、子が1歳まで育児休業をしていた配偶者に替わって子の1歳の 誕生日から休業することもできます。 |
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・申出に係る子の氏名、生年月日、労働者との続柄、休業開始予定日及び 休業終了予定日を明らかにして、1歳までの育児休業については、休業開始 予定日から希望通り休業するには、その1か月前までに申し出ます。 ・1歳から1歳6か月までの育児休業については、休業開始予定日(1歳の誕生日) から希望通り休業するには、その2週間前までに申し出ます。 |
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Ⅷ 転勤についての配慮 事業主は、労働者を転勤させようとするときには、育児や介護を行うことが困難となる労働者について、 その育児又は介護の状況に配慮しなければなりません。 ・配慮することの内容としては、例えば、 1.その労働者の子の養育又は家族の介護の状況を把握すること。 2.労働者本人の意向を斟酌すること。 3.就業場所の変更を行う場合は、子の養育又は家族の介護の代替手段の有無の確認を行うこと。 等が考えられますが、これらはあくまでも配慮することの内容の例示であり、他にも様々な配慮が考えられます。 Ⅸ 職業家庭両立推進者の選任 事業主は、職業家庭両立推進者を選任するように努めなければなりません。 ・職業家庭両立推進者は、法の規定に基づき事業主が講ずべき措置等を円滑に実施することをはじめ、職場の 雰囲気作り等労働者の職業生活と家庭生活との両立を図りやすくするために必要な一切の業務を行います。 |
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・まだ選任されていない企業におかれては、1企業につき1人、本社人事労務担当 部課長以上の方等企業全体の人事労務管理について責任を持つ方を選任し、 都道府県労働局雇用均等室に届け出てください。 |
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個人情報保護法の概要 個人情報保護法は、だれもが安心してIT社会の便益を享受するための制度的基盤として、2005年 4月に施行されました。 この法律は、個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利利益を保護することを目的として、 民間事業者が、個人情報を取り扱う上でのルールを定めています。 個人情報保護法の対象事業者となるか否かに関わらず、個人情報の取り扱いについては慎重な管理が求められ ています。個人情報の漏洩事故が多発する中、その取り扱いを規程することが情報流出予防の第一歩であり、 社会に対する信頼を損なわないためにも会社全体で個人情報の保護・管理に取り組んでいく必要があります。 まずは顧客情報等の個人情報を含めた営業に関する秘密管理規程を整備する必要があります。 これは取引先等顧客の信頼を得るには不可欠なものであります。 この規定を整備することにより社員が安易に情報流出につながるような行為に出ることを予防できます。 次に会社で働く社員の個人情報や募集・採用に伴う個人情報に関する管理規程の整備があります。 社員に関する個人情報には健康診断に伴う健康情報や人事考課等の職業能力、家族情報などプライバシーに 関わる情報がたくさんあり、その取り扱いには営業情報と同様に慎重さを求められます。 |
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このような重要な個人情報を不適切な取り扱いにより漏洩事故を起こしてしまうと 対象事業者でない場合は個人情報保護法において罰せられることは ありませんが、民事事件に発展し被害者に対して損害賠償責任などを負うことに なる可能性も考えられますので注意が必要です。 |
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公益通報者保護法の概要 公益通報をしたことを理由とする公益通報者の解雇の無効等並びに公益通報に関し事業者及び行政機関 がとるべき措置を定めることにより、公益通報者の保護等を図る。 (目的) 公益通報者の保護を図るとともに、国民の生命、身体、財産その他の利益の保護にかかわる法令の規定 の遵守を図り、もって国民生活の安定及び社会経済の健全な発展に資すること (公益通報の対象) 以下の事実が生じ又はまさに生じようとしている場合 ①個人の生命又は身体の保護、消費者の利益の擁護、環境の保全、公正な競争の確保その他の国民の生命、 身体財産その他の利益の保護にかかわる法律として別表に掲げるもの(これらの法律に基づく命令を含む。)に 規定する罪の犯罪行為の事実 ②別表に掲げる法律の規定に基づく処分に違反することが①の事実となる場合における当該処分の理由と されている事実等 (別表) 刑法、食品衛生法、証券取引法、JAS法、大気汚染防止法、廃棄物処理法、個人情報保護法、その他政令で 定めた406本の法律 |
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(公益通報者の保護) 労働者(公務員を含む。)を以下のように保護 ① 公益通報をしたことを理由とする解雇の無効 ② 労働者派遣契約の解除の無効 ③ その他の不利益な取扱い(降格、減給、派遣労働者の交代を求めること等) の禁止 |
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65歳までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の義務化 少子高齢化の急速な進展の中で、高い労働意欲を有する高年齢者が長年培った知識と経験を活かし、 社会の支えてとして意欲と能力のある限り活躍し続ける社会が求められています。 このため、高年齢者が少なくとも年金支給開始年齢(男性の年金支給開始年齢にあわせ男女同一の 年齢)までは働き続けることができるよう、平成18年4月1日から、事業主は以下の措置を講じなければ ならないこととなりました。 改正高年齢者雇用安定法第9条により、平成18年4月1日から、65歳未満の定年の定めをしている事業主は、 高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、次の①から③のいずれかの措置(高年齢者雇用確保 措置)を講じなければなりません。 ①定年の引き上げ ②継続雇用制度の導入 ③定年の定めの廃止 なお、②の継続雇用制度については、原則は希望者全員を対象とする制度の導入が求められますが、各企業の 実情に応じ労使の工夫による柔軟な対応が取れるよう、事業主が、労使協定により継続雇用制度の対象となる 高年齢者にかかる基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは②の措置を講じたものとみなされます。 ※補足 ・この年齢は、男性の年金(定額部分)の支給開始年齢の引き上げスケジュールにあわせ、男女同一に、平成 25年4月1日までに段階的に引き上げられます。 平成18年4月1日~平成19年3月31日 :62歳 平成19年4月1日~平成22年3月31日 :63歳 平成22年4月1日~平成25年3月31日 :64歳 平成25年4月1日~ :65歳 ・改正高年齢者雇用安定法に基づき、厚生労働大臣は、高年齢者雇用確保措置を講じていない事業主等、 同法第9条に違反する事業主に対し、必要な助言・指導、勧告を行うことができるとされています。 ・継続雇用制度とは 継続雇用制度は、「現に雇用している高年齢者が希望しているときは、当該高年齢者をその定年後も 引き続いて雇用する制度」をいいます。 継続雇用制度には、以下の2つの制度があります。 ・勤務延長制度:定年年齢が設定されたまま、その定年年齢に到達した者を退職させることなく引き続き雇用 する制度 ・再雇用制度 :定年年齢に到達した者を一旦退職させた後、再び雇用する制度 (雇用条件) 雇用条件については、高年齢者の安定した雇用の確保が図られたものであれば、必ずしも労働者の希望に合致 した職種・労働条件による雇用を求めるものではありません。 また、常用雇用のみならず、短時間勤務や隔日勤務なども含みますので、企業の実情にあった制度を導入 できます。 (継続雇用制度の対象者に係る基準) 継続雇用を導入する場合は、原則として希望者全員を対象とすることが求められますが、各企業の実情に応じ 労使の工夫による柔軟な対応が取れるよう、労使協定により継続雇用制度の対象者となる高年齢者に係る基準を 定めたときは、この基準に該当する高年齢者を対象とする制度を導入することも認められています。 このように労使協定で基準を定めることを求めることとしたのは、継続雇用の対象者の選定に当たっては、企業に よっては必要とする能力や経験等が様々であると考えられるため、労使間で十分に話し合い、その企業に最も ふさわしい基準を労使納得の上で策定するという仕組みを作ることが適当であるという理由からです。 「基準」の策定に当たっては、労使間で十分協議の上、各企業の実情に応じて定められることを想定しており、 その内容については、原則として労使に委ねられています。 ※ただし、労使で十分に協議の上、定められたものであっても、事業主が恣意的に特定の対象者の継続雇用を 排除しようとするなど高年齢者雇用安定法の改正の趣旨や他の労働関連法規に反する又は公序良俗に反する ものは認められません。 (継続雇用制度の対象者に係る基準で適切でないと考えられる例) ・「会社が必要であると認めた者に限る」 「上司の推薦がある者に限る」 基準がないことと等しく、これのみでは改正高年齢者雇用安定法の趣旨に反するおそれがあります ・「男性(女性)に限る」 「年金(定額部分)の支給を受けていない者に限る」 男女差別に該当するおそれがあります ・「組合活動に従事していない者」 不当労働行為に該当するおそれがあります (継続雇用制度の対象者に係る望ましい基準) 継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準については、以下の2つの観点に留意して策定されたものが 望ましいと考えられています。 観点①:意欲、能力等を具体的に測るものであること(具体性) 労働者自ら基準に適合するか否かを一定程度予見することができ、到達していない労働者に対して能力開発を 促すことができるような具体性を有するものであること。 観点②:必要とされる能力等が客観的に示されており、当該可能性を予見することができるものであること (客観性) 企業や上司等の主観的選択ではなく、基準に該当するか否かを労働者が客観的に予見可能で、該当の有無に ついて紛争を招くことのないよう配慮されたものであること。 (労使間で合意が得られなかった場合の特例措置) 事業主が労使協定のために努力したにもかかわらず協議が調わないときは、特例措置として、大企業の事業主は 平成21年3月31日まで、中小企業の事業主(常時雇用する労働者の数が300人以下である事業主を いいます。)は平成23年3月31日までの間は、就業規則等により継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る 基準を定め、当該基準に基づく制度を導入できることとしています。 |
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この場合には、特例措置期間内は措置を講じたものとみなされますが、引き続き 労使協議を続け、特例措置機関が終了するまでの間において、できるだけ早期に 労使間の合意を得るように努める必要があります。 |
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改正高年齢者雇用安定法の概要 高年齢者の安定的な雇用確保のため、65歳までの雇用確保措置の導入が事業主の義務となったほか、 高年齢者の再就職促進等を図る措置が定められています。 具体的な措置のうち主なものは以下の通りとなっています。 1.65歳までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の義務化 2.解雇等による高年齢離職予定者に対する求職活動支援書の作成・交付の義務化 事業主都合の解雇等により離職することとなっている高年齢者等(45歳以上65歳未満)が希望するときは、 事業主は、当該高年齢者等の希望を聴き、その職務の経歴や職業能力等キャリアの棚卸しに資する事項や 再就職援助措置等を記載した書面(求職活動支援書)を作成し、交付しなければなりません。 3.労働者の募集及び採用の際、年齢制限をする場合の理由提示の義務化 事業主は、労働者の募集及び採用をする場合に、やむを得ない理由により上限年齢(65歳未満のものに 限る)を定める場合には、求職者に対してその理由を提示しなければなりません。 |
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4.シルバー人材センター等が行う一般労働者派遣事業の手続きの特例 シルバー人材センターが、届出(労働者派遣法の届出)により、臨時的かつ 短期的または軽易な就業に関する一般労働者派遣事業を行うことを可能と します。 |
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Ⅶ 勤務時間の短縮等の措置 事業主は、3歳未満の子を養育し、又は要介護状態にある対象家族の介護を行う労働者については、 勤務時間の短縮等の措置を講じなければなりません。 また、事業主は、3歳から小学校就学前の子を養育し、又は家族を介護する労働者については、育児・ 介護休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置に準じた措置を講ずるよう努めなければなりません。 (育児のための勤務時間の短縮等の措置) ・働きながら育児をすることを容易にするため、3歳未満の子を養育する労働者について、次のいずれかの措置を 講じなければなりません。 1.短時間勤務制度 (1)1日の所定労働時間を短縮する制度 (2)週又は月の所定労働時間を短縮する制度 (3)週又は月の所定労働日数を短縮する制度(隔日勤務、特定の曜日のみの勤務等の制度をいいます。) (4)労働者が個々に勤務しない日又は時間を請求することを認める制度 2.フレックスタイム制 3.始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ 4.所定外労働をさせない制度 5.託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与 その他これに準ずる便宜の供与の例として、ベビーシッターの費用を事業主が負担する等が考えられます。 なお、1歳(1歳6か月まで育児休業ができる場合にあっては、1歳6か月)以上の子を養育する労働者に ついては、これらの措置の代わりに育児休業の制度に準ずる措置を講ずることでも差し支えありません。 ・3歳から小学校に入学するまでの子を育てる労働者について上記の勤務時間の短縮等の措置を講ずることが、 事業主の努力義務として求められています。 (介護のための勤務時間の短縮等の措置) ・働きながら要介護状態にある対象家族を介護することを容易にするため、要介護状態にある対象家族を介護する 労働者について、次のいずれかの措置を講じなければなりません。 1.短時間勤務制度 (1)1日の所定労働時間を短縮する制度 (2)週又は月の所定労働時間を短縮する制度 (3)週又は月の所定労働日数を短縮する制度(隔日勤務、特定の曜日のみの勤務等の制度をいいます。) (4)労働者が個々に勤務しない日又は時間を請求することを認める制度 2.フレックスタイム制 3.始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ 4.労働者が利用する介護サービスの費用の助成その他これに準ずる制度 ・法改正により、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算93日までの間で労働者が申し出た 期間、措置が受けられるようになりました。 |
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(改正のポイント) 介護のための勤務時間の短縮等の措置が受けられる日数は、介護休業と通算して 93日までとなります。 要介護状態から回復した家族が、再び要介護状態に至った場合には、この範囲で 再度措置が受けられます。3回目以降も同様です。 ・介護休業の制度又は勤務時間の短縮等の措置の内容については、介護を必要と する期間、回数、対象となる家族の範囲等について法で定められた最低基準を 上回るものとすることが、事業主の努力義務として求められています。 |
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Ⅳ 不利益取扱いの禁止 事業主は、育児休業、介護休業や子の看護休暇の申出をしたこと又は取得したことを理由として、 労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはなりません。 ・事業主に対して禁止される解雇その他不利益な取扱いは、労働者が育児休業、介護休業や子の看護休暇の 申出をしたこと又は取得したこととの間に因果関係がある行為です。 解雇その他不利益な取扱いの典型例として、次に掲げる取扱いがあげられます。 1.解雇すること。 2.期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。 3.あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。 4.退職又は正社員を非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。 5.自宅待機を命ずること。 6.降格させること。 7.減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。 8.不利益な配置の変更を行うこと。 9.就業環境を害すること。 Ⅴ 時間外労働の制限の制度 事業主は、育児や家族の介護を行う労働者が請求した場合には、1か月24時間、1年150時間を超える 時間外労働をさせてはなりません。 ・請求できる労働者は、小学校就学前の子を養育し、又は要介護状態にある対象家族を介護する労働者 (日々雇用される者を除く)です。 ただし、勤続1年未満の場合など、法令に定める一定の要件に該当する者は請求できません。 ・請求は、1回につき、1か月以上1年以内の期間について、その開始の日及び終了の日を明らかにして制限開始 予定日の1か月前までに申し出ます。 Ⅵ 深夜業の制限の制度 事業主は、育児や家族の介護を行う労働者が請求した場合には、深夜(午後10時から午前5時まで)に おいて労働させてはなりません。 |
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・請求できる労働者は、小学校就学前の子を養育し、又は要介護状態にある対象 家族を介護する労働者(日々雇用される者を除く)です。 ただし、勤続1年未満の場合など、法令に定める一定の要件に該当する者は請求 できません。 ・請求は、1回につき、1か月以上6か月以内の期間について、その開始の日及び 終了の日を明らかにして制限開始予定日の1か月前までに申し出ます。 |
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Ⅲ 子の看護休暇制度の新設 小学校就学前の子を養育する労働者は、申し出ることにより、1年に5日まで、病気・けがをした子の 看護のために、休暇を取得することができます。 ・法改正により、小学校就学前の子を養育する労働者は、申し出ることにより、1年に5日まで、病気・けがをした 子の看護のために、休暇を取得できるようになりました。 |
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(改正のポイント) 申出は口頭でも認められます。 事業主は、業務の繁忙等を理由に、子の看護休暇の申出を拒むことは できません。 ただし、勤続6か月未満の労働者及び週の所定労働日数が2日以下の労働者に ついては、労使協定の締結により対象外とすることができます。 この他の労働者(例えば配偶者が専業主婦である労働者等)を対象外とする ことはできません。 |
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Ⅱ介護休業制度に関する改正 労働者は、申し出ることにより、要介護状態にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに 1回の介護休業をすることができます(一定の範囲の期間雇用者も対象となります)。 期間は通算して(のべ)93日までです。 ・介護休業ができる労働者は、要介護状態にある対象家族を介護する男女労働者です。 日々雇用される者は対象になりません。 ・「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を 必要とする状態をいい、「対象家族」とは配偶者、父母、子、配偶者の父母並びに労働者が同居しかつ扶養して いる祖父母、兄弟姉妹及び孫をいいます。 ・法改正により、休業の取得によって雇用の継続が見込まれる一定の範囲の期間雇用者は、介護休業が とれるようになりました。 (改正のポイント1) 新たに介護休業の対象となった一定の範囲の期間雇用者とは、申出時点において、次の(1)、(2)のいずれにも 該当する労働者です。 (1)同一の事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であること (2)介護休業開始予定日から93日を経過する日(93日経過日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれる こと(93日経過日から1年を経過する日までに労働契約期間が満了し、更新されないことが明らかである者を 除く) ・労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者であっても、その契約が実質的に期間の定めのない契約と 異ならない状態となっている場合には、上記の一定の範囲に該当するか否かにかかわらず、介護休業の対象と なります。 ・法改正により、対象家族1人につき、要介護状態に至るごとに1回、通算93日までの間で労働者が申し出た 期間、介護休業ができるようになりました。 (改正のポイント2) 2回目の介護休業ができるのは、要介護状態から回復した対象家族が、再び要介護状態に至った場合です。 3回目以降も同様です。 対象家族1人当たりの取得日数の上限は、通算して93日までです。 |
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・申出に係る対象家族の氏名及び労働者との続柄、介護を必要とする理由、 休業開始予定日並びに休業終了予定日を明らかにして、休業開始予定日から 希望通り休業するには、その2週間前までに申し出ます。 |
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Ⅲ 裁量労働制に関する改正 (裁量労働制とは) 労働者を対象とする業務に就かせ、労働者に時間配分や仕事の仕方をゆだねた場合、労使であらかじめ定めた 時間働いたものとみなす制度(みなし労働時間制)です。 裁量労働制には、次の2種類があります。 ①専門業務型裁量労働制:デザイナー、システムエンジニア等、専門的な業務に就く者が対象。 ②企画業務型裁量労働制:事業運営の企画、立案、調査及び分析の業務を行うホワイトカラー労働者が対象。 1 専門業務型裁量労働制 専門業務型裁量労働制を導入する場合には、労使協定で定めるところにより使用者が次の措置を講ずることを 労使協定で定めなければならないこととされました。 ①対象業務に従事する労働者の労働時間の状況に応じた労働者の健康・福祉を確保するための措置 ②苦情の処理に関する措置 ③協定の有効期間 ④労働者ごとに講じた①及び②の記録をすること ⑤④の記録を協定の有効期間及びその期間満了後3年間保存すること ※既に専門業務型裁量労働制を導入している事業場においては、上記事項について労使協定で定めた上で、 改めて、労働基準監督署に届け出なければなりません。 2 企画業務型裁量労働制 企画業務型裁量労働制については、導入・運用の要件・手続が以下のように改正されました。 ① 企画業務型裁量労働制の対象事業場について、本社等に限定しないこととされました。 ②労使委員会の決議について、委員の5分の4以上の多数によるものとすることとされました。 ③労使委員会の労働者代表委員について、あらためて事業場の労働者の信任を得ることとする要件を廃止する こととされました。 ④労使委員会の設置届を廃止することとされました。 ⑤使用者の行政官庁への定期報告事項は、対象労働者の労働時間の状況及びその労働者の健康・福祉確保 措置の実施状況に限ることとされました。 ⑥⑤の報告は、「決議の日から6か月以内ごとに1回」とすることとされました。 |
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なお、企画業務型裁量労働制の対象事業場を本社等に限定しないこととされたこと に伴い、対象事業場の基準を明らかにし、対象業務の明確化を図るため、 「労働基準法第38条の4第1項の規定により同項第1号の業務に従事する労働者 の適正な労働条件の確保を図るための指針」を改正しました。 |
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Ⅱ 解雇に関する改正 1 解雇 近年、解雇をめぐるトラブルが増大しており、その防止・解決を図るには、解雇に関する基本的なルールを明確に することが必要となっています。 そこで、最高裁の判決で確立しているものの、これまで労使当事者間に十分に周知されていなかった「解雇権濫用 法理」が法律に明記されました。 すなわち、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を 濫用したものとして、無効とする。」との規定が新設されました。 ※「解雇権濫用法理」とは、昭和50年に初めて最高裁の判例として確立されたものです。 この判決では「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認 することができない場合には、権利の濫用として無効になると解するのが相当である。」と判示されています (最高裁第2小法廷 昭和43年(オ)第499号 昭和50年4月25日判決)。 ※ 本条については、衆議院及び参議院の厚生労働委員会における附帯決議において、 ・「本法における解雇ルールは、解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち圧倒的に多くのものについて使用者側 に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を何ら変更することなく最高裁判所判決で確立した解雇権 濫用法理を法律上明定したもの」であり、 ・「本法における解雇ルールの策定については、最高裁判所判決で確立した解雇権濫用法理とこれに基づく 民事裁判実務の通例に則して作成されたものであることを踏まえ、解雇権濫用の評価の前提となる事実のうち 圧倒的に多くのものについて使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を変更するものでは ない」ことが立法者の意思であることが明らかにされています。 ※なお、整理解雇する場合には、 ①人員削減の必要性(特定の事業部門の閉鎖の必要性) ②人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性(解雇回避のために配置転換等をする余地がない こと) ③解雇対象の選定の妥当性(選定基準が客観的、合理的であること) ④解雇手続の妥当性(労使協議等を実施していること) が必要であるとされています(東京高裁 昭和51年(ネ)第1028号 昭和54年10月29日判決等)。 2 就業規則への「解雇の事由」の記載 労使当事者間において、解雇についての事前の予測可能性を高めるため、就業規則に、「退職に関する事項」 として「解雇の事由」を記載する必要があることが、法律上明確にされました。 ※既に作成している就業規則に、「退職に関する事項」として「解雇の事由」を記載していない場合には、 「解雇の事由」を記載した上で、改めて、労働基準監督署へ届け出なければなりません。 3 労働契約締結時における「解雇の事由」の明示 労使当事者間において、解雇についての事前の予測可能性を高めるため、労働契約の締結に際し、使用者は 「解雇の事由」を書面の交付により労働者に明示しなければならないことが明確にされました。 |
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4 解雇理由の明示 解雇をめぐるトラブルを未然に防止し、その迅速な解決を図るために、これまでの 退職時証明に加えて、労働者は、解雇の予告をされた日から退職の日までの間に おいても、解雇の理由についての証明書を請求できることとされました。 ただし、使用者は、解雇の予告がされた日以後に労働者がその解雇以外の事由に よって退職した場合は、この証明書を交付する義務はありません。 |
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Ⅰ 有期労働契約に関する改正 1 契約期間の上限の延長 (1)有期労働契約(期間の定めのある労働契約)について、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、 契約期間の上限は原則3年とされました。 ただし、有期労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限ります。)を締結した労働者(下記(2)に該当する労働者は除きます。)は、労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後に おいては、使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができます(この措置は、政府が、改正労働基準法の施行後3年を経過した後に、その施行の状況を勘案しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるまでの間の暫定措置です。)。 (2)また、高度の専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」と言います。)を有する者や、満60歳以上の者と 有期労働契約を締結する場合の契約期間の上限は5年とされました。 高度の「専門的知識等」を有する者とは、厚生労働大臣が定める基準によって、次のいずれかに該当する者としました。 ①博士の学位を有する者 ②公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、 技術士又は弁理士のいずれかの資格を有する者 ③システムアナリスト試験又はアクチュアリー試験に合格している者 ④特許法に規定する特許発明の発明者、意匠法に規定する登録意匠を創作した者又は種苗法に規定する登録品種を 育成した者 ⑤大学卒で実務経験5年以上、短大・高専卒で実務経験6年以上又は高卒で実務経験7年以上の農林水産業の 技術者、鉱工業の技術者、機械・電気技術者、システムエンジニア又はデザイナーで年収1075万円以上の者 ⑥システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコンサルタントで年収が1075万円以上の者 ⑦国等によりその有する知識等が優れたものであると認定され、上記①から⑥までに掲げる者に準ずるものとして 厚生労働省労働基準局長が認める者 2 有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準 有期労働契約の締結時や期間の満了時におけるトラブルを防止するため、使用者が講ずるべき措置について、厚生労働大臣が基準を定めることができることとされました。 厚生労働省では、これに基づき、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を制定しました。 また、行政官庁は、この基準に関して、使用者に対して必要な助言や指導を行うこととなります。 |
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「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」内容は以下のとおりです。 ① 使用者は、有期契約労働者に対し、契約の締結時に契約の更新の有無、契約を 更新する場合又はしない場合の判断の基準を明示しなければなりません。 ② 使用者は、一定期間以上継続して雇用している有期契約労働者について、 雇止めをする場合には、少なくとも30日前に予告をしなければなりません。 ③ 使用者は、労働者が雇止めの理由の明示を請求した場合には、遅滞なくこれを 文書で交付しなければなりません。 ④ 使用者は、契約の更新により一定期間以上継続して雇用している有期契約 労働者と契約を更新する場合には、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、 契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。 |
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個別労働紛争の増加 個別労働紛争解決制度は平成13年10月から施行され、企業組織の再編や人事・労務管理の個別化等 の雇用形態の変化等を反映し、全国約300ヶ所の総合労働相談コーナーに寄せられた民事上の個別 労働紛争に係る相談件数は17万件を超え、制度発足以降依然として増加を続けています。 以下の図は民事上の個別労働紛争相談件数及び総合労働相談件数の推移と民事上の個別労働紛争相談の 内訳です。
このようなトラブルの内容は就業規則で明確に取り決められているべきものです。 法律の改正や会社の実情を反映した就業規則に改定していればトラブルは防げていたかもしれません。 |
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その他の規程 規程には今まで説明した他にも以下のようなものがあります。 就業規則の項目では対応できないものであれば別に規程を作成する必要がありますが、規程は 就業規則と同じ効果をもたらすものなので労働条件となるようなものは法的に拘束されます。 よって作成する場合には本当に必要な規程なのかを確認する必要があります。 |
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・賃金規程 ・賞与規程 ・通勤費支給取扱規程 ・慶弔見舞金規程 ・安全衛生委員会規程 ・私有車の業務上利用に関する規程 ・文書管理規程 ・自己申告制度規程 ・ 出張旅費規程 ・役員報酬規程 |
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公益通報者保護規程の概要 公益通報者保護法が施行され、通報者保護のため事業主は解雇等不利益取り扱いをしてはならない等 禁止されました。 このような事業主サイドのデメリットを懸念するだけでなく、社内の法令違反等を早期に発見し、 健全化を図るため、相談・通報の適正な処理の仕組みを規定することは経営強化につながることも あります。 公益通報者保護規程の一般的な内容 (通報・相談窓口) 組織的、個人的な法令違反等に関する社員からの通報を受ける窓口及び法令違反行為に該当するかを 確認する等の相談窓口を設置する必要があります。 (通報の方法) 通報・相談窓口の利用方法を明記します。 電話や電子メール、FAX、書面、面会などが考えられます。 (通報者・相談者の定義) 通報者及び相談者は誰とするかを定義します。 例えば、正社員、嘱託社員、パートタイマー、アルバイト、派遣労働者、退職者、取引事業者などが考えられます。 (処分) 不正行為が確認された場合の対処方法を明記しておきます。 通常は就業規則等に基づいて処分を行うことが一般的です。 |
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(通報者の保護) この項目が法律施行のポイントです。 通報者を通報したことを理由として解雇その他の不利益取り扱いを会社が 行わないことを宣言し、通報者の職場環境が悪化しないように配慮しなければ ならず、嫌がらせ等を行った者を処分することを明確にしておく必要があります。 |
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車両管理規程の概要 この規程は社員が通勤に使用する車両の管理について規定するものです。 車両は自動車及び二輪車を指します。 近年問題となっている飲酒運転等を厳禁するなど安全運転を全社一丸となって取り組む必要があります。 また交通事故に対する会社のリスクを排除するためにも整備しておく必要があります。 車両管理規程の一般的な内容 (使用許可) マイカー通勤は必ず許可制にすることが必要です。 許可申請の際に免許証、車検証、任意保険証等の写しを提出させることにより法違反や交通事故の際の 責任能力を確認できます。 (禁止事項) 企業の社会的責任及び信頼を損なわないためにも、社員に交通安全意識をしっかりと持ってもらう必要が あります。 この項目において、飲酒運転、過労運転、速度超過、携帯電話を使用しながらの運転等法違反を禁止することを 規定しておきます。 (懲戒) 社員が交通事故を起こしたことにより、その責任を会社が問われることがあります。 その場合の損害の賠償を本人に求めることと懲戒処分を行うことを規定して抑止力を期待します。 |
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(任意保険の加入) マイカー通勤を許可する際には必ず任意保険の加入を義務付けましょう。 更に加入基準を設け、対人、対物等の賠償額が基準に満たしていない場合は 許可しないようにしましょう。 |
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育児・介護休業規程の概要 育児・介護休業法は次世代育成支援を進めるため法律改正が行われ、育児又は家族の介護を行う 労働者の職業生活の図られることを目的としています。 法改正により義務化された項目や新設された項目がありますので、規程の変更が求められます。 育児・介護休業規程の一般的な内容 (育児休業・介護休業の対象者) この項目は法律改正が行われましたので対応が必要です。 新たに一定の範囲の期間雇用者も対象となりましたが、その定義も細かなものとなっています。 (申出の手続き) 休業の申出を行うには、申出の期間や回数など法律で細かに規定してありますので注意が必要です。 (休業の期間等) この項目も法律改正が行われました。 育児休業は一定の要件に該当する場合は、子が1歳6ヶ月に達するまで育児休業が取れるようになりました。 介護休業は、改正前は対象家族一人につき1回限りで期間は連続して3ヶ月となっていましたが、対象家族1人に つき、常時介護を必要とする状態に至るごとに1回の介護休業ができます。 期間は通算して(のべ)93日までとなりました。 |
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(申出の撤回) 申出を撤回するにあたっても法律で細かに規定してあります。 育児休業は一旦撤回してしまうと同一の子に対して再度休業の申出は原則として できなくなります。 このようなことを社員に対して周知しておかないと、トラブルの種になってしまうので 注意が必要です。 |
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営業秘密に関する管理規程の概要 営業秘密に関しては、顧客情報の漏洩事故が社会問題となっている他、競業他社への持込みなど、 その管理は厳重に行う必要があります。 そこで営業秘密の取り扱いに関する事項をきちんと規定して、会社全体で取り組んでいく必要が あります。 営業秘密に関する管理規程の一般的な内容 (営業秘密の定義) 営業秘密の定義がしっかり規定されていないと意味がなくなってしまいます。 よってトラブルを防ぐ視点で、どのようなものが会社にとって営業秘密になるのかを考え明確にしておく必要が あります。 (営業秘密の区分) 秘密情報を一括するのではなく情報の重要度により管理区分を分けると理解しやすくなります。 例えば「極秘」、「秘密」「社外秘」と3つに区分し、管理・開示の方法がそれぞれ異なるようにすることなどが 考えられます。 (営業秘密取り扱いに関する遵守事項) 営業秘密の取り扱いにあたり、全社員が守らなければならない事項を具体的に提示しておく必要があります。 例えば、営業秘密を記録した文書、写真、CD-ROMその他の電子媒体等を会社の許可なく社外に持ち出しては ならないなどが考えられます。 (誓約書の提出) 社員への周知・徹底を図るため、入社及び退社時に誓約書を提出してもらうことは効果的です。 |
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(退職後の競業禁止義務) 退職後の競業他社への就職や同業事業の開始を制限します。 ただし非常に難しい問題なので規定する場合は慎重に行うようにして下さい。 例えば、期間や地域を限定とする措置や、会社の承諾制にするなどの対応が 必要でしょう。 |
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パートタイマー就業規則の概要 就業規則において適用される社員の範囲を明確にしていますか? 正社員のみを適用対象にしている場合、パートタイマー用の就業規則を作成していますか? 就業規則の適用からパートタイマーを除外しても、パートタイマー用の就業規則を整備していなければ、 パートタイマーも正社員と同じ就業規則が適用されることがありますので注意が必要です。 パートタイマー就業規則の一般的な内容 (パートタイマーの定義) パートタイマーの定義として1日または1ヶ月の労働時間が社員より短い者を指すこと定義しておく必要が あります。 (雇用保険被保険者の範囲) パートタイマーであっても労働時間等により、雇用保険の被保険者に該当する者と該当しない者が出てきてしまい ます。 よって雇用保険被保険者になることができない者の定義を明確にしておく必要があります。 (年次有給休暇) パートタイマーも正社員同様に年次有給休暇を与えなくてはなりません。 ただし所定労働日数の8割以上出勤したことが条件となり、付与日数も週所定労働日数や1年間の所定労働日数 により異なるので明確に規定する必要があります。 |
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(賞与・退職金) 賞与及び退職金をパートタイマーに支給しない企業は未だに多くあります。 この場合、パートタイマーには賞与及び退職金は原則支給しないと規定する 必要があります。 |
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退職金規程の概要 退職金制度に関する細かな規定が掲載されているものです。就業規則の退職金の章ではとても掲載 しきれる内容ではないので、通常は別規程としているところが多いようです。 退職金規程の一般的な内容 (適用範囲) 一般的には正社員を対象としているものが多いようです。 この項目において退職金の対象者を明確に規定しておかないとトラブルになる可能性があります。 (退職金の計算方法) 退職金の計算方法に問題を抱えていると、社員とのトラブルに発展する可能性があります。 特に基本給を基準とした計算方法を採用している場合は退職金制度に問題がないか確認する必要があります。 (支給時期・支給方法) 退職金を支給する事由が発生した後、いつ、どのような方法で支給するかを規定します。 労働基準法において賃金支払の5原則が定められていますので注意が必要です。 (退職金の不支給) この項目において懲戒解雇等となった社員に対して退職金の全部又は一部を支給しないことを定めておきます。 また退職後から支給するまでの間や支給後に懲戒解雇に相当する事由が発見された場合の対処も記載しておく 必要があります。 |
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(外部機関による退職金の支給) 外部機関において退職金資金準備をする場合、外部機関より直接退職金が 支払われることがあります。 よって、その支払われた退職金額は会社が直接支給したものとみなして、 会社から支給する退職金から控除することを規定しておかないと二重請求される ことにもなりまねませんので、重要な項目となります。 |
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賃金減額を伴う降格処分は、人事権の行使として同意がなくても行えるのか 人事権の行使としての配転等は使用者の裁量で行えるが、賃金の減額を伴う降格は、労働契約の内容を変更するものであるから、労働者の同意又は就業規則に根拠を必要するとされた事例 <平成12.5.30 大阪地裁判決 T実業事件> 賃金減額を伴う降格処分と労働者の同意・就業規則の根拠 1.被告会社は、本件降格処分は懲戒処分ではなく、経営者として当然になし得る人事権の行使としてなされたとの主張であると思料される。 人事権の行使としての配転等は、使用者の裁量において行い得るものではあるが、賃金の減額を伴う降格は、労働契約の内容を変更するものであるから、労働者の承諾を得るか、就業規則に根拠がなければ、これをすることができない。 2.しかるに、そのような承諾が存在したとはいえず、また、根拠についての疎明はない。更に、後述する<略>懲戒解雇が不当労働行為といえることからすると、本件降格処分も、原告らが本件不正事件について抗議したことを嫌悪して行われた疑いは強く、その効力を認めることはできない。 |
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業績不振等を理由に、役職手当等を一方的に打ち切ることは許されるのか 賃金は労働契約の重要な要素であって、明確な根拠もなく、労働者の同意を得ることもなく、一方的に不利益に変更できないものであるから、本件不利益変更は効力は生じないとされた事例 <平成8.12.17 大阪地裁決定 M産業事件> 役職手当等削減の経緯と被告会社の主張 1.被告会社はバブル経済崩壊の影響を受け、多額の債務を抱え資金繰りが苦しくなったことから、平成7年12月頃、業務体制、給与体系を大幅に見直し改革を図ることを決め、平成8年1月から会議において業務体制、給与体系等の見直しの必要性について述べていたが、同年4月上旬の会議で、給与からの「役職手当」「その他手当」削減を提案したが、原告らは同意しなかった。 しかし、被告会社は、同年4月分から原告らの「役職手当」「その他手当」削減を実施した。 2.被告会社は本訴において、上述給与削減について要旨次のように主張した。 (1)「役職手当」「その他手当」という名目で支給されていた金員は、一時的恩恵的に支給していたもので、業績不振、債務超過があったら、当然カットされるものと了解していた。 (2)仮に、同手当カットに原告らの同意がなかったとしても、被告会社の業績不振、債務超過の事情により当事者間の合理的意思として、雇用主が見直しをして、歩合給的に変更させることができる。 (3)原告らの労務提供が不完全であるから、基本給と異なる臨時給的な同手当てのカットは当然できる。 同意のない手当の一方的不支給の可否 賃金は、労働契約内容の重要な要素であるから、明確な根拠もなく、労働者の同意を得ることなく一方的に不利益に変更することはできないものと考えるが、原告ら2名のみが役職手当、その他手当を削減されており、原告らが、当該賃金について了承していたという事実は認められず、被告会社が一方的に賃金を減額したもので、そうすると、本件において、被告会社は明確な根拠もなく、原告らの同意を得ることなく、原告らの賃金を一方的に不利益に変更したことは明らかで、何ら効力を有しないものと考える。 従って、被告会社は、平成8年5月以降も役職手当及びその他手当削減前と同一内容の賃金支払い義務を免れないものと考える。 |
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経営不振により所定の昇級が実施されずに経過した場合、黙示の承認が認められるのか 給与規定施行後の業績悪化により、所定の昇給、賞与の支給が行われなくなり、従業員全員が経営状態を知って何らの要求をしないで経過した場合、給与規定の不実施について黙示の承諾が認められた事例 <平成9.3.25 東京地裁判決 N商店事件> 給与規定制定後その不実施の経過 本件給与・退職金規定は、被告商店の現代表者の亡夫の亡父が代表者の時代に制定・施行したものであるが、当時は繁盛しており規定どおりの昇給や賞与の支給が可能であったが、その後の業績の悪化、とりわけ手形不渡り事故の発生の危機の直面して以降、規定どおりの昇給や賞与の支給が困難となり、その状況は改善されないまま現代表者の夫が平成5年7月に脳梗塞で倒れ、同年11月に退任し、この後を同代表者の妻である現代表者が引き継いで以降は、規定どおりの昇給は勿論、賞与の支給も0.1ないし0.3か月分程度に止まっており、また、同代表者は、本件給与・退職金規定の存在すら原告との本件紛争の発生まで知らなかった。 他方、原告を含めた従業員全員は、被告商店がこのような営業状態にあったことから、被告の上述のような措置に対して、規定どおりの昇給の実施及び賞与の支給を要求したことはなかった。 給与規定不実施の事実経過による黙示の承諾の認定 上述認定事実によると、本件給与・退職金規定施行当時は盛業状況にあって、規定どおりの昇給・賞与の支給も可能であったが、その後の業績悪化、とりわけ、昭和56年11月20日の手形不渡り事故発生の危機に直面して以降の業績は悪化の一途を辿り、規定どおりの昇給・賞与支給が困難な状況となり、改善されないまま現代表者が経営を引き継いだ以降は昇給は全く実施されず、賞与も僅かの支給に止まっており、従業員は、この被告の経営状況を知っていたためと考えられるが、被告のこれらの措置に対し何らの要求もしなかったのである。 そうすると、原告を含めた従業員全員は、被告が規定どおりの昇給を実施しないこと及び賞与の支給をしないことを暗黙のうちに承認していた、すなわち、黙示の承諾をしていたということができる。 |
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所定の昇給要件を充足した場合でも、使用者の裁量により昇給を保留できるのか 昇給の要件が限定列挙され、過去に要件充足者の昇給保留がなかったことから、使用者において昇給要件の欠格を証明しない限り、昇給させるべき債務を負っているとされた事例 <昭和59.7.18 大阪地裁判決 社会福祉法人大阪G館事件> 給与規定の昇給条項 被告法人の就業規則付属給与規定22条は、 基本給の昇給は別に定める給与等級表により行う。定期の昇給に要する経過期間は1年とし、昇給の調査は1月、4月、7月、10月と就業年月日により区分して行う。 (注:経過期間とは、前回昇給又は就業年月日により当該昇給の調査までとし、昇給の調査とは昇級資格の有無を調査すること)と規定していること、 同規定24条は、 次の場合昇級を保留することがある、 ① 1年のうち3ヶ月以上欠勤したとき ② 技能著しく不良もしくは勤務怠慢、または素行不良の者 と規定していることは当事者間に争いがない。 過去の定期昇給保留者の存否 そして、被告は昭和55年度までは給与規定22条に基づき、昇級時から1年を経過した職員につき、毎年度欠かさず定期昇給を実施してきたこと、少なくとも被告に勤務した53年11月以降において、給与規定24条に該当するとして定期昇給を保留された者がいなかったことが認められる。 使用者の昇級の意思表示の必要性 以上の真実を前提として給与規定を解釈すれば、被告がある職員を昇級させるときには当該職員について昇給に必要な期間を経過したか否か、同規定24条の欠格事由に該当するか否かを調査し、その調査の結果、被告が当該職員を昇給させるべきものと判断したときは、被告から職員に対し昇給させる旨の意思表示をすることにより、当該職員について昇給するものと解すべきである。 なお、昇給辞令の交付はないが、給与明細書に昇給した賃金を記載して支給することにより、職員に対する昇給の意思表示をしているものと解される。 したがって、給与規定22条の規定が、その経過期間を経過した原告らに対し何らの意思表示を要することなく、当然に被告が定めた給与等級表の各一つ上の等級の基本給に昇給するとの原告の主張についてはその余の判断に及ぶまでもなく、理由がない。 昇給欠格事由の不立証と昇給させる債務 しかし、給与規定22条に定める昇給資格は、①前回の昇級時から1年を経過したこと②給与規定24条に該当しないこと、の2点であり、これと、給与規定24条はその性質上限定的列挙と解されること、しかも①の要件及び給与規定24条1号の規定に該当するか否かは当事者双方にとって判断する上で疑義がないこと、 並びに昭和55年以前の定期昇給の実態に鑑みれば、原告(職員)側において①の要件があるときは、被告は②の要件を主張・立証しない限り、原告らに対し、給与規定に基づき同規定引用の給与等級表の一つ上の等級に昇格させるべき債務を負っているものと解するのが相当である。 |
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58歳以降の昇給を停止し、63歳定年を60歳に引き下げる就業規則の変更は有効と認められるのか この就業規則の変更は、重要な労働条件に実質的な不利益を及ぼす一方、代償措置もないに等しく、高度の必要性がないのに比して不利益が大きく、変更は無効とされた事例 <平成7.7.12 大阪地裁堺支部判決 大阪府S事業団事件> 事件の概要 1.被告事業団は、定年を63歳と定めていたが、同事業団を設立した大阪府が昭和60年から60歳定年制を実施したことに伴い、府から外郭団体一律に昭和63年度末から60歳定年制を実施すべき指導がなされ、同事業団は労働組合と団体交渉を重ねた結果、妥結に至らなかったが、就業規則を改正して平成2年3月31日から60歳定年制を実施した。 2.また、大阪府が平成元年度から58歳以降の昇給停止を実施したことを受けて、平成2年度から労働組合との妥結がないまま同様に58歳以降の昇給停止を実施した。 3.一方、被告事業団は、職員の減収を補填するため、定年年齢の引き上げを段階的に実施し、退職金支給率の引き上げを講じたが、昇給停止の代償措置はとらなかった。 就業規則の不利益変更が有効とされる場合・・・先例最高裁判決について 1.本件改正規則は、就業規則の不利益変更である、労働条件を定型的に定めた就業規則は一種の社会的規範としての性質だけでなく、合理的な労働条件を定めている限り、事実たる慣習によって法規範性を認めることができる。 そして、使用者が新たな就業規則の作成又は変更によって、労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課すことは、原則として許されないと解すべきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的、かつ、画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該就業規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者がこれに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されない(昭和45.12.25大法廷判決)。 2.そして、その合理性については、当該就業規則の作成又は変更が、その必要性及び内容の両面からみて、労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認し得る合理性を有するものであることをいうと解され、当該就業規則の作成又は変更の必要性の程度、それによる従業員の不利益の程度、労働組合との交渉の経過、関連業界の取り扱い、社会的動き等を総合勘案する必要がある。 特に、賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法敵に受忍させることを許容し得る、高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるものというべきである。(昭和58.11.25第2小法廷判決、63.2.16第3小法廷判決)。 本件就業規則の改正の有効性・・・定年年齢の引き下げ及び58歳以降の昇給の停止 1.これを本件についてみるに、本件改正は、60歳定年制、58歳昇給停止のいずれについても、重要な労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の変更であることは明らかであるところ、その採用が被告事業団の運営上特に必要というわけでもなく、大阪府においてそれらの制度を採用したことに伴い、被告事業団の組織の性格上、大阪府から要請を受けて採用せざるを得なかったものである。 その点では、就業規則の不利益変更が必要であったともいえるが、それが運営上の理由ではないから、これをもって高度の必要性があったとまでは到底いえない。 2.そして、60歳定年制については、原告らには、退職手当率の上昇を考慮しても、一人当たり約1,000万円から約2,000万円の減収が生じ得ることになる一方、それについての緩和策が採られているものの、代償措置は極めて不十分で、非常勤嘱託員制度の実効性ははっきりせず、この1,000万円から2,000万円の減収がそのまま損害になる可能性が高い(被告事業団は、退職金運用利益も考慮すべきであると主張するが、退職金をそのまま銀行預金等とすることができると一概にはいえず、また、そのような義務もないから、それを代償措置とすることはできない。)。 3.また、58歳昇給停止により、原告らは定年までの賃金上昇額に相当する不利益を受けるが、それについての代償措置ないし緩和措置は一切講じられていない。よって、60歳定年制、58歳昇給停止とも、かなりの不利益をもたらす制度といえる。 加えて、60歳定年制については、被告事業団の職員の労働条件は大阪府職員より劣っている部分が少なくない中で、それらの改善との抱合せなく唯一の有利な点であるものを切り下げることに疑問が残る。 4.以上によると、本件規則改正は、先に判示したような高度の必要性がないのに、かなりの不利益を原告らにもたらすものであって、その点での疑問も有するから、本件改正をもって、その必要性及び内容の両面からみて、被告事業団の職員が受けることになる不利益の程度を考慮しても、なお当該労使関係における法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものとはいえず、本件改正は無効である。 |
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遅刻・早退・欠勤時の賃金不控除について、就業規則を変更して減額することができるか 本件賃金控除は、労使の合意による労働契約内容であり、同意なく不利益に変更することはできず、就業規則を変更しても、当該労働契約内容には効力を及ぼさないとされた事例 <昭和46.9.13 東京地裁判決 日本K協会事件> 賃金に関する就業規則の不利益変更の可否 1.賃金に関する事項が当事者を拘束するのは、それが就業規則に規定され労働者に周知されたからではなく、使用者と労働者が個別的労働契約の成立要件として合意したからである。使用者の労働者に対する賃金支払義務の発生及びその内容は、当事者の合意を直接の根拠とするものであって、就業規則作成以前の問題である。 本件のように、遅刻・早退・欠勤(組合休を含む)の場合に賃金を控除せず全額を支払ってきたということも、原告らと被告協会の合意を根拠とするものである。 したがって、賃金に関する事項のように労働契約の要素をなす基本的労働条件については、合意によって労働契約の内容となった以上、使用者が一方的に作成した就業規則によってその内容を労働者の不利益に変更することはできないものと解すべきである。 これは、改正就業規則の内容及び改正経過が合理的か否かに関わらないことである。 2.けだし、契約当事者の一方が、相手方の同意を要せず契約内容を変更できることは、一般法理の認めないところである。また、使用者が行う就業規則の変更に個別的労働契約の一方的不利益変更の効力を是認するとすれば、労働条件は労使対等の立場で決すべきものとする労働基準法2条1項の精神に反し、かつ使用者は就業規則の変更によって労働条件を改悪し、間接的にその意に添わない労働者に退職を余儀なくさせることによって、解雇規制の諸規定を空文化させる結果を招来するからである。 いわゆる秋北バス事件についての最高裁判決は、定年制に関するものであり、定年の定めは本来当事者の合意を成立要件とする労働契約の要素をなすものではないから、合意を根拠として雇用契約の内容となる基本的労働条件には属さない。 したがって、本件のような事案に適切な判例ではない。 3.本件就業規則及び給与規定の改訂は労働者に不利益である。遅刻・早退・欠勤(組合休を含む)があっても、賃金を控除しないという雇用契約の内容を賃金控除を行う旨改めることが労働者にとって不利益であることは他言を要しない。そうであるとすれば、改訂就業規則及び給与規定は原告らに実質的効力を及ぼさない。 したがって遅刻・早退・欠勤(組合休を含む)があっても賃金控除をしないという原告らと被告協会との雇用契約の内容は依然として変更されていない訳である。 |
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月の中途退職時の賃金について、月額全額払いから日割計算払いとする給与規定の変更は有効か この給与規定の変更は不利益変更であるが、変更の内容、変更の必要性、職員の過半数の同意等を総合して勘案すると、本件変更は合理的なものと認められるとされた事例 <昭和61.7.27 東京地裁判決 K視聴覚センター事件> 中途退職時の賃金の日割り計算への変更の合理性 月の途中で退職者に対しても退職月の賃金全額を支払う旨の給与規定を、日割り計算により支払う旨改訂したことが原告にとって不利益なものであることは明らかであるが、この変更が合理的なものであれば、原告はこれに同意しないことを理由としてその適用を拒むことは許されないものというべきところ、変更の内容、必要性(退職した職員の退職月における労務の量と受ける賃金とが比例せず、退職者間に不公平な結果をもたらすためであること)及び被告センターの職員の対応(職員全員を構成員とする職員総会の過半数の同意を得ていること)等を総合的に勘案すると、本件給与規定の変更は合理的なものと解するのが相当である。 よって、昭和45年4月1日に変更された現行給与規定は、原告に対しても効力を有する。 |
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就業規則の法的性質、不利益変更に関する判示の要点 1 秋北バス事件~事件の概要 1.本事件は、従来、主任以上の職にある労働者に対しては停年制の適用がなかったところ、主任以上についても、就業規則の変更により停年制が適用され、その効力が争われた事件である。 2.変更前:<昭和30.7.21 施行> 「従業員は満50歳を以って停年とする。停年に達したる者は辞令をもって解職する。但し、停年に達したる者で業務上必要のある場合、会社は本人の人格、健康及び能力等を勘案し選考の上、臨時、又は嘱託として新たに採用することがある。」 変更後:<昭和32.4.1 改正> 「従業員は、満50歳を以って停年とする。停年に達した者は退職とする。」 3.会社は、上告人労働者に対して、昭和32年4月25日、既に満55歳の停年に達していることを理由に、同年5月25日付けで退職を命ずる旨の解雇の通知をした。 2 秋北バス事件~下級審の判決 1.秋田地裁判決<昭和37.4.16> 要旨 ①就業規則は、使用者が一方的に制定変更し得るも、不利益変更は同意無くなし得ない。 ②停年制の新設は、不利益変更を意味し、不同意の労働者には適用されない。 2.仙台高裁秋田支部判決<昭和39.10.26> 要旨 ①就業規則は経営権に基づく経営内法規で、不利益変更により労働契約は変更を受ける。 ②既存の労働契約に年齢的制限を加えた不利益改正なるも、不同意者にも効力が及ぶ。 3 秋北バス事件~最高裁大法廷判決 1.就業規則は、合理的な労働条件を定めている限り、経営主体と労働者との間の労働条件は就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、法規範性が認められるに至っていると解すべきで、労働者が就業規則の存在及び内容を現実に知っているか否かに関わらず、また、これに個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然にその適用を受ける。 2.新たな就業規則の作成変更によって、既得の権利を奪い、不利益な労働条件を一方的に課すことは原則として許されないものと解するも、労働条件の集合的処理、特に統一的・画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該就業規則条項が合理的なものである限り、個々の労働者において、不同意を理由にその適用を拒否することは許されないものと解すべきである。 3.労働契約に停年の定めがないということは、終身雇用を保障したり、将来ともに停年制を採用しないということを意味せず、俗に「生涯雇用」といわれていることも法律的には、労働契約や就業規則に別段の規定がない限り、継続雇用の可能性というものであり、その旨の既得権ではないから、停年制がなかった主任以上についての停年制の新設は、既得権の問題にはならない。 4.停年制は一般的には不合理な制度ではなく、55歳も相当であり、変更条項は「停年解雇制」の形態で定められ、労働基準法20条の適用を受け、また、再雇用の特則を設け、再雇用の提案もされている。これらを総合考較すれば、変更された就業規則条項は不合理ではなく、変更後直ちに適用される労働者に対する関係において、信義則違反・権利濫用とは認められず、適用を拒否できない。 4 近代企業における労働条件の決定 多数の労働者を使用する近代企業において、その事業を合理的に運営するには多数の労働契約関係を集合的・統一的に処理する必要があり、この見地から、労働条件についても、統一的かつ画一的に決定する必要が生じる。そこで、労働協約や就業規則によって、まず、労働条件の基準を決定し、その基準に従って、個別的労働契約における労働条件を決定するのが実情である。 5 就業規則の法的性質 1.ところで、ここでいう就業規則(就業規則の中には労働条件に関する定めのほか、工場・事業場等における管理規律ともいうべき定めを含んでいるのが通例であるが、後者は、一応、ここでは除外して考えることとする。)は、どのような性質を有するか、さらに、経営主体は一方的に労働者の不利益にこれを変更できるかが問題となる。これらの点について、当裁判所は、次のように判断する。 2.元来、「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである」(労働基準法2条1項)が、多数の労働者を使用する近代企業においては、労働条件は、経営上の要請に基づき、統一的かつ画一的に決定され、労働者は、経営主体が定める契約内容に従って、附随的に契約を締結せざるを得ない立場に立たされるのが実情であり、この労働条件を定型的に定めた就業規則は、一種の社会規範としての性質を有するだけでなく、それが合理的な労働条件を定めているものである限り、経営主体と労働者との間の労働条件はその就業規則によるという事実たる慣習が成立しているものとして、その法的規範性が認められるに至っている(民法92条参照)ものということができる。 3.そして、労働基準法は、このような実態を前提として、後見的監督的立場に立って、就業規則に関する規制と監督に関する定めをしているのである。すなわち、同法は、一定数の労働者を使用する使用者に対して、就業規則の作成を義務付ける(89条)とともに、就業規則の作成・変更に当たり、労働者側の意見を聴き、その意見書を添付して所轄行政庁に就業規則を届け出(90条参照)、かつ、労働者に周知させる方法を講ずる(106条1項、なお、15条参照)義務を課し、制裁規定の内容についても一定の制限を設け(91条参照)、しかも就業規則は、法令又は当該事業場について適用される労働協約に反してはならず、行政庁は法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる(92条参照)ものとしているのである。 これらの定めは、いずれも、社会的規範たるにとどまらず、法的規範としての拘束力を有するに至っている就業規則の実態に鑑み、その内容を合理的なものとするために必要な監督規制にほかならない。 このように、就業規則の合理性を保障するための措置を講じておればこそ、同法は、さらに進んで、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」ことを明らかにし(93条)、就業規則のいわゆる直律的効力まで肯認しているのである。 6 就業規則の知不知および個別的同意の有無とその適用 上述説示したように、就業規則は、当該事業場内で社会的規範たるにとどまらず、法的規範としての性質を認められるに至っているものと解すべきであるから、当該事業場の労働者は、就業規則の存在および内容を現実に知っていると否とにかかわらず、また、これに対して個別的に同意を与えたかどうかを問わず、当然に、その適用を受けるものというべきである。 7 労働条件に不利益を課す就業規則の作成・変更の可否 1.就業規則は、経営主体が一方的に作成し、かつ、これを変更することができることになっているが、既存の労働契約との関係について、新たに労働者に不利益な労働条件を一方的に課すような就業規則の作成又は変更は許されるであろうか、が次の問題である。 2.おもうに、新たな就業規則の作成又は変更によって既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは、原則として、許されないと解すべきであるが、労働条件の集合的処理、特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該就業規則が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、その適用を拒否することは許されないと解すべきであり、これに対する不服は、団体交渉等の正当な手続きによる改善をまつほかはない。 そして、新たな停年制の採用のごときについても、それが労働者にとって不利益な変更といえるかどうかは暫くおき、その理を異にするものではない。 |
| Q.コンサルティングの際に会社の情報等を知られてしまいますが、情報管理は大丈夫ですか? |
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1ヶ月~3ヶ月 ※別規程の改訂や不利益変更を伴うケースなどは、上記期間を超えることあります |
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